阪神・淡路大震災のときに 神戸をご支援いただいた皆様へ
まもなく阪神・淡路大震災から10年を迎えようとしています。
10年前のあの日に神戸は甚大な被害を被りましたが、皆様方の暖かいご支援をいただきながら、
懸命に復興へと取り組んでまいりました。
震災から10年が経過しようとしている今、残された課題は尚あるものの、人口は平成7年1月の
震災前の人口を超え、住宅も震災前の住宅戸数を上回りました。また、鎮魂と再生への希望をテーマ
とする神戸ルミナリエをはじめ、地域コミュニティーを生かして高齢者を見守る活動や、小学校区ごとに
スポーツを通して健康づくりを図る地域スポーツクラブなど、震災前には見られなかった新しい活動が
根付いてきています。
こういった試みは、あの時多くの市民が、人と人とのつながりや、神戸を支援してくださった方々との
ふれあいのなかで大切に感じたことを、地域の中で具体化しようとしているもので、ご支援いただいた
皆様方に心から感謝しています。そして、このような活動が盛んになることにより、市民が望んでいる
安全・安心ですみよいまちづくりが実現できると考えています。
神戸市では平成15年度に、「神戸市復興・活性化推進懇話会」に「復興の総括・検証」をお願いし、
提言をいただきました。そのなかで、「震災で学んだ経験・教訓」「復興への取り組みの課題・成果」
「それらを踏まえたこれからの神戸づくり」を世界中からいただいたご支援への感謝を込めて発信する
ことが、被災地である神戸の責務であり、ご支援へのお礼であると報告されております。
この報告をふまえ、平成16年12月から1年間、神戸では市民・事業者・神戸市が「協働と参画」の
精神にのっとりながら、それぞれ主体的に「震災10年 神戸からの発信」に取り組んでまいります。
今も神戸市民は、あの時にいただいたご支援を忘れることなく、感謝の気持ちを込めてまちづくりに
取り組んでいます。この機会に是非神戸にお越しいただき、再生していく「神戸」をご覧いただきますよう
ご案内申し上げます。
平成16年12月
神戸市長 矢田 立郎